約 525,952 件
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2388.html
閉鎖された戦場――リニアレール車両内に、嵐が吹き荒れていた。 「うおおおおおおおぉっ!!」 青い髪の破壊神――スバルが雄叫びを上げながら敵陣の中心に飛び込み、車両を占領するガジェットの一体に掴み掛かった。 コード状の触手をしっかりと掴まえ、スバルは捕獲したガジェットをハンマーのように振り回し、手近な敵に容赦なく叩きつける。 咄嗟にAMFを展開するガジェットだが、高度な対魔法防御も原始的な物理攻撃には何の意味も無く、鈍器代わりに使用された仲間共々に破片を撒き散らしながら砕け散った。 「次っ!!」 獰猛な光を瞳に宿し、スバルは次なる獲物へと魔の手を伸ばす。 ローラーブーツを噴かし、背後から抱きつくように新たなガジェットを捕まえたスバルに、残りの敵が一斉に光線を放つ。 降り注ぐ魔力弾の集中砲火にスバルは不敵な笑みを浮かべ、捕獲したガジェットを盾のように前方へ突き出した。 迫り来る凶弾の雨を認識したガジェットは防御プログラムを作動、AMFを展開する。 味方の展開したAMFに阻まれ、ガジェット達の攻撃はスバルに届くことはない。 「わはははは! 無駄無駄無駄ぁっ!!」 敵の攻撃を敵の障壁で無効化しながら、スバルは勝ち誇ったように哄笑する。 あらゆる魔法を打ち消すガジェットのAMF、敵に使われれば確かに厄介極まりない「壁」だが……自分で使う側に回ってしまえば、これ程便利な「盾」は無い。 更にガジェット本体の強度やスバル自身の腕力も相まって、魔導師にとっての最悪の「敵」は、今やスバルにとっての最適な「武器」と化していた。 敵の集中砲火が止んだ瞬間、今度はスバルが攻勢に回った。 手元のガジェットを力任せに放り投げ、敵にぶつけて牽制する。 敵が怯んだ隙に距離を詰め、術式を纏わせた拳で全力で殴りつける。 「リボルバーキャノン!!」 咆哮と共に零距離から撃ち出された衝撃波が、ガジェット達を粉微塵に消し飛ばした。 「あたしを誰だと――へぶっ!?」 高らかに勝ち名乗りを上げかけるスバルの背中に、ガジェットの放った光線が容赦なく突き刺さった。 バリアジャケットのおかげで光線自体によるダメージは皆無であったが、着弾の衝撃スバルの身体は前のめりに倒れ込み、顔面を強かに床に打ちつけた。 「っつぅー……」 痛む鼻頭に涙目になりながらスバルは上体を起こし、決め台詞を邪魔した無粋な敵を憤怒の表情で睨みつける。 「お前ら……」 幽鬼のようにゆらりと立ち上がり、スバルは額に青筋を浮かべながら口を開いた。 右手首のタービンが獲物を追う獣のように獰猛に唸りを上げ、全身から溢れ出る魔力が竜巻のように渦を巻き、荒れ狂う嵐となって車両内を吹き荒れる。 ライトニング隊との合流というティアナの指示も、リニアレール奪還という自分達の任務そのものも、既にスバルの頭から消え失せていた。 今の自分のやるべきことは唯一つ、空気の読めない馬鹿共の抹殺――今のスバルの思考回路は、その一点に支配されていた。 「――全員、極刑!!」 スバルの怒号と共に空間が爆砕し、衝撃で車両天井が弾け飛ぶ。 この瞬間、戦場は処刑場へとその名を変えた。 リニアレール第五車両、戦闘続行中。 リニアレール車両内を、一陣の風が駆け抜ける。 ≪Sonic Move≫ 合成音声の無機質な呟きとほぼ同時に、車両中央に浮かぶガジェットが細切れに解体される。 ≪Sonic Move≫ 再び響く合成音声と共に、振り下ろされた鋼の塊が車両後方を飛ぶガジェットが叩き潰し、更に返す刃でもう一体、敵がAMFを展開する前に一瞬で斬り捨てる。 ≪Sonic Move≫ 三度紡がれる死刑宣告。 次の瞬間、今度は車両前方のガジェットを、赤い髪の死神――エリオの槍が貫いていた。 動きを止めたエリオをガジェット達が素早く取り囲み、一斉に光線を撃ち出した。 ≪Sonic Move≫ 迫り来る光線の集中砲火に、エリオのデバイスが四度目の呟きを発する。 次の瞬間、突如エリオの身体が霞のように掻き消えた。 標的を見失った光線は直進を続け、その先に浮かぶ仲間の身体に無慈悲に突き刺さる。 遅い、余りにも遅くて欠伸が出る……同士討ちして爆発するガジェット達を背中越しに一瞥し、エリオは軽やかな音を立てて床に着地した。 鋭く正確なガジェットの光線攻撃だが、キャロの加速補助を二重に受け、しかも高速機動魔法を発動した今の自分の敵ではない。 破片の散らばる床を蹴り、壁を、天井を、そしてまた床を……車両内を縦横無尽に駆け回り、エリオは踊るように生き残りのガジェット達を翻弄する。 ガジェットがエリオを捕捉し、内蔵武器を起動する――その一瞬の隙に敵の懐に飛び込み、光線を放たれる前にデバイスを突き立てる。 AMFを発動させるべく敵が動きを止めたその刹那、ガジェットの背後に回り込み槍を一閃させて斬り伏せる。 魔法を無効化するガジェットのAMFも、鋭いが遅い敵の攻撃も、使われる前に倒してしまえば気にする必要は無い。 圧倒的とも言えるエリオの猛攻を前に、生き残りのガジェット達は撤退を開始した。 卵のような身体を反転させ、脱兎の如く逃げ出すガジェット達だが、しかしその必死な行動を嘲笑うかのように……、 ≪Sonic Move≫ ――敵を遥かに凌駕する神速の動きで正面に回りこんだエリオが、槍を携え立ち塞がる。 更にエリオの隣にもう一人、桃色の髪の伏兵――キャロが姿を現した。 「錬鉄召喚、アルケミックチェーン!」 キャロの呪文発動と共に床面に魔方陣が展開され、その中心から出現した無数の鎖がガジェット達を絡め取る。 「フリード」 捕縛したガジェット達を油断なく見据え、キャロは傍らの相棒に呼びかけた。 主の命令に応えるように、フリードが口の中から火球を生み出す。 同時に隣のエリオも槍を構え、穂先に魔力を集束させる。 「ブラストレイ」 キャロの号令と共に炎の弾丸が、 「ルフトメッサー」 エリオの怒号と風の刃が、 「「――シュート!!」」 撃ち放たれた。 同時に撃ち出された炎と風の魔法は互いに干渉し、力を増幅させながら混ざり合い、最終的に巨大な火球となってガジェット達を飲み込んだ。 まるで赤い絨毯を引いたように車両中が火の海に包まれ、防火装置の作動した天井から人工的な雨が降り注ぐ。 スプリンクラーの水滴を全身に浴び、消えていく炎の海をどこか名残惜しそうに一瞥してから、エリオとキャロは互いの健闘を称え合うように笑いながらハイタッチを交わした。 リニアレール第十車両、制圧完了。 「あの馬鹿共が……」 各車両に設置された防犯カメラからリアルタイムで送られてくるスバル達の戦闘映像を横目に見遣り、ティアナは苛立ったように舌打ちした。 「馬鹿スバル! 遊んでないでとっとと先に進みなさい!! エリオにキャロ! 車両燃やしながらはしゃぐな!!」 調子に乗る同僚達を通信回線越しに怒鳴りつけ、ティアナは続いてロングアーチへと通信を繋ぐ。 「スターズF、五両目で戦闘中。ライトニングF、十両目を奪還」 自分は何をしているのだろう……列車の停止作業と並行して、いつの間にか現場管制の真似事をしている自分自身に呆れるように、ティアナは重い息を吐いた。 管制など訓練生時代に軽い講義受けただけで演習すらも行った経験は無く、そもそも複数の作業を両立出来る程の処理能力は自分には無い。 現に今自分は現場の状況報告と司令部からの指示伝達との中継に追われ、肝心の車両制御の方は中々進展していない。 本来どちらかに集中するべき――否、現状を鑑みればどちらに集中するべきかは明らかなのだが、どちらとも中途半端に進んでしまっているので切り捨てるに捨てられない。 結果どちらにも集中出来ないまま時間だけが浪費されていくという本末転倒な状況が続いているが、自分を変えようにもつまらない意地が邪魔をして中々一歩を踏み出せない。 大体このような作業はリイン曹長の仕事だろうに……出撃の際に隊舎に残った上司に八つ当たりするように恨みの矛先を向けながら、ティアナは黙々と己の仕事を続ける。 手元に展開したウィンドウ――緊急操作マニュアルを慎重に確認しながら、掲載された過程の一つ一つを丁寧に消化していく。 『ティア! 五両目のガジェットは全部潰したよ!!』 『ティアナさん、十両目の鎮火を確認したので次の車両に進みます』 スバルとエリオからの報告を受け、制御パネルを操作しながら該当する車両の防犯カメラの映像を呼び出す。 ……マニュアルを読み間違い、操作手順を一つ飛ばしてしまいエラー表示が出た。 「スバル、六両目のガジェットは五体。七両目の重要貨物室には敵はいないみたいだから、さっさと潰してとっととちび達と合流しなさい。 エリオにキャロ、九両目の敵は九体、ちょっと数が多いけど気合いと根性で乗り切るのよ」 操作をやり直しながらしながら現場のスバル達に通信を繋ぎ、激励の意味を込めて指示を出す。 ……パスワードを打ち間違い、エラーの壁にぶつかった。 「スターズF、五両目を奪還。ライトニングF、九両目に突入」 再度パスワードを入力し、ロングアーチにも状況を報告する。 ……指が誤って削除キーに触れ、これまでの苦労が白紙に戻った。 ティアナの中で、何かが切れた。 「だああああああああああああっ、もう! このポンコツ列車がああああああああっ!!」 髪の毛を両手でかき回しながら絶叫し、ティアナは八つ当たりするように操作パネルに拳を叩きつけた。 緊急操作マニュアルに羅列された二十以上の手順を再び最初からやり直し……自身の過失が原因とはいえ、これは流石に気が滅入る。 大体電車などどうせ走るか止まるか車内放送を流すか程度の機能しか存在しないというのに、その操作に何故ここまで煩雑な手順が必要となるのか。 犯罪防止のためか何かは知らないが、無駄なハイテクなど害悪以外の何物でもない。 やってられるか……据わった眼でマニュアルのウィンドウを睨みつけ、ティアナはデバイスを取り出した。 クロスミラージュの銃身が怯えたように一瞬震えるが、頭に血が上ったティアナが気付くことは無かった。 わざわざ正攻法で付き合ってやる義理など、考えてみれば無いではないか。 目には目を、ハイテクにはハイテクを――クロスミラージュを制御システムに介入させ、ガジェットと同じやり方で車両の制御を乗っ取ってしまえば万事解決。 インテリジェントデバイスに搭載されたAIは戦闘用、しかもクロスミラージュは最新型……ガジェットのような訳の解らないメカに出来て、自分の相棒に出来ない道理は無い。 デバイスの装甲をこじ開け、必要な配線を引き出す。 機械の扱いは簡易デバイスを製作する際に多少は勉強した、ハードウェアを繋げるだけならば自分でも簡単に出来る。 ソフトウェアの接続と掌握――言い換えればハッキングの作業自体は完全にクロスミラージュ頼みであるが、そこは相棒の性能を信じるしかない。 ≪M……master?≫ クロスミラージュが困惑したように声を上げるが、ティアナは無視して作業を続ける。 ガジェットの残骸から拝借したケーブルにデバイスを繋ぎ、制御機器に接続して準備完了。 「クロスミラージュ! ちょっとハッキングでメインコンピュータを乗っ取って、大至急列車を止めなさい!!」 まるでイソギンチャクのように無数のコードやケーブルに繋がれ、急造のハッキングツールと化した己のデバイスに、ティアナは高らかに命じた。 こいつはデバイスを一体何だと思っているのだろーか……所有者の破天荒な行動に些か呆れながらも、クロスミラージュは主の命令を忠実に実行する。 ――メインシステムにアクセス、プロテクトを突破 ――制御プログラムに介入、システムの掌握完了 リニアレールの制御奪取を完了させたクロスミラージュが停止シグナルを送信し、列車が急ブレーキをかけて減速する。 まるで地震でも起きたかのように車両が大きく揺れ、窓の外の景色が動きを止める。 ≪Order complete≫ 「ご苦労」 命令完遂を報告するデバイスに労いの言葉を短く口にし、ティアナは大きく安堵の息を吐いた。 さて……クロスミラージュに繋いだコードやケーブルを引き抜きながら、ティアナは今後の段取りを思案する。 まずはロングアーチに列車停止を報告、ついでにスバル達の戦闘状況も伝えておけば効率的だろう。 その後はスバルと共にエリオ達と合流……否、先にスバルを合流させて後から追い着いた方が良いだろうか。 各車両内の映像を映すウィンドウ群を見回すティアナは、その時ふと眉を顰めた。 エリオ達の戦う第九車両からの映像が、いつの間にか途絶えている。 受信機の故障か、それとも戦闘の余波でカメラが壊れたのか……十中八九後者だろーなーとエリオ達の荒っぽい戦い方に嘆息を零しながら、ティアナは二人に通信を繋ぐ。 「エリオ? キャロ?」 二人の名を呼びかけてみるが、しかし通信機から返るのは雑音のみ……念話でも同じことを試してみたが、結果は変わらなかった。 敵のジャミング……ティアナの顔から血の気が引いた。 AMFを全開にすれば、通信魔法の妨害など造作も無い。 その思考に至らなかった自分自身を責めながら、ティアナは唯一通信の繋がる仲間――スバルに叫ぶ。 「スバル! エリオとキャロを助けて!!」 同時刻、エリオとキャロは半壊した第九車両で、巨大な敵と対峙していた。 比喩ではない……自動扉を周囲の壁ごと突き崩し、ガジェット掃討も佳境に入っていた第九車両に、それは突然姿を現した。 車両の幅の半分以上を塞ぐ球形の巨体――これまで自分達が倒してきたガジェットとも、外でなのは達が戦う敵とも異なる、しかし明らかにその面影を持つ新手の敵。 ガジェットの新型、卵型の通常タイプをⅠ型、三角形の航空型をⅡ型とするならば、これはさしずめⅢ型と言ったところだろうか。 この車両に残存していたガジェットⅠ型数体を周囲に従え、威圧するように自分達と相対する未知の敵に、エリオ達の顔が緊張に強張る。 ガジェット達も敵を警戒しているのか、攻撃を仕掛ける様子も先の車両に進攻する気配も見せない。 まるで時が止まったかのように続く沈黙、しかしこのまま永遠に睨み合いで時間を浪費する訳にもいかない。 「キャロ、頼むよ」 「任せて、エリオ君」 パートナーの言葉に力強く首肯し、キャロは呪文の詠唱を始める。 エリオの足元に薄桃色の魔方陣が展開され、くるくると独楽のように回転しながら輝きを増していく。 「What I want is the chain of bonds, What I wish is the sword of justice.(我が請うは縛めの鎖、我が求めるは正義の剣) What I hope is the bliss of my edge, what I desire is ruin of my enemy.(我は望む幸運を我が刃に、我は欲する破滅を我が敵に)」 朗々と紡がれるキャロの言の葉を聞きながら、エリオは腰を落としてストラーダを構えた。 両脚にぐっと力を込め、穂先の切っ先に魔力を集束させる。 穂先の付け根のカバーがスライドし、カートリッジの空薬莢が排出される。 放物線を描いて落下する空薬莢が、からりと音を立てて床に転がり……瞬間、エリオが動いた。 地を穿つような勢いで床を蹴り、デバイスのブースターを点火する。 ほぼ同時に、キャロの呪文も完成していた。 「アルケミックチェーン・デュアルブーステッド!!」 車両内に凛と響き渡るキャロの声と共に、床に敷かれた魔方陣から数本の鎖が〝高速で撃ち出され〟た。 術式構成の段階で「加速」と「突撃強化」の補助効果を組み込まれ、無機物操作の魔法によって召喚と同時に矢のように射出された錬鉄鎖が、ガジェットⅠ型を正確に射抜く。 一つ眼に灯る光が消え、鎖に貫かれたまま力なく床を転がるガジェットⅠ型に一瞥も向けることなく、エリオはただひたすらに目の前の敵――ガジェットⅢ型へと突き進む。 ≪Sonic――≫ デバイスの無機質な呟きと共に、エリオの世界がギアを切り替えた。 音が消え、まるで早回しのビデオのように加速しながら流れ過ぎる景色……神速の領域、時の流れから切り離された孤独な世界で、エリオはただひたすらに前進を続ける。 走る、奔る、駆ける、翔ける……。 敵の懐に飛び込む、己の間合いに捻り込む……辿り着いた。 床を踏み締める、槍を振り上げる、そして……飛ぶ! ≪――Move≫ 再度耳朶を打つストラーダの声……音を取り戻し、世界は正常な時の流れに帰還した。 一瞬でガジェットⅢ型の頭上に移動したエリオが、渾身の力を込めてデバイスを打ち下ろす。 大上段から振り下ろされたエリオの斬撃を、ガジェットⅢ型は帯のようなアームを交差させて受け止めた。 魔力の刃と鋼の鎧がぶつかり合い、火花を上げて拮抗する。 堅い……予想外の敵の頑丈さに歯噛みしながら、エリオは更に槍を捻じ込む。 魔力を纏った鋼の切っ先が敵のアームを貫通し……刹那、逆三角形に並んだガジェットⅢ型の三つ眼が不気味に輝き、放たれた光線がエリオの身体に突き刺さった。 「ぐぁっ……!」 呻き声と共に吹き飛ぶエリオを、ガジェットⅢ型のアームが絡め取るように拘束した。 容赦なく身体を絞めつける敵の拘束に骨が軋み、エリオの口から苦痛の声が漏れる。 「エリオ君!」 捕われたパートナーに悲鳴を上げ、エリオの元へと走り出すキャロの足に、黒い触手が絡みついた。 転倒するキャロの目に映ったものは、身体を貫く鎖を引きずりながらゆっくりと起き上がる、破壊した筈のガジェットⅠ型。 倒し損ねていた……キャロの瞳が愕然と凍りつく。 再起動したのか、最初から死んだフリをしていたのかは定かではないが、どちらにしても形勢が逆転してしまったことに変わりは無い。 危機に陥る主の前にフリードが盾のように立ち塞がり、口元に火球を生み出す……が、生成された炎の弾丸は、しかしその直後に魔力レベルで霧散した。 AMF……キャロの顔が絶望に染まった。 必死に術式を構築しようと試みるが、魔力は欠片も結合しない。 足掻くキャロを嘲笑うように、ガジェットⅠ型は触手をのばしながら獲物ににじり寄った。 割れた単眼が鈍く煌き、コード状の触手が嬲るようにキャロの身体を這い回る。 「い、やぁ……!」 掠れたような悲鳴がキャロの口から漏れ、大粒の涙が頬を零れ落ちる。 その瞬間、エリオの中で何かが切れた。 「ゴミ屑風情が……キャロを、放せええええええええぇっ!!」 怒りに染まった咆哮と共に、突如エリオの全身から激しい電光が迸った。 まるで爆発するようにバリアジャケットが弾け飛び、衝撃でガジェットⅢ型のアームが千切れ飛ぶ。 敵の拘束から解放されたエリオはガジェットⅢ型に背を向け、キャロを陵辱するガジェットⅠ型へと走り寄った。 狂犬のように牙を剥き出し、猪のように直線的な突進を仕掛けるエリオを嗤うように、ガジェットⅠ型が光線を放つ……が、 「鬱陶しい!!」 怒号と共にエリオの体から放たれた電撃の牙が、まるで食い千切るように敵の光線を消し飛ばした。 守りたいと思った人がいた、護ると決めた人が出来た。 いつも笑っていて欲しいと願った、だから自分がその笑顔を守ろうと誓った。 故にエリオは……キャロを泣かせたあの敵を、全力全開で殺すことを心に決めた。 どくん……と、ストラーダの奥で何かが鼓動したような気がした。 「うおおおおおおおおおおおおっ!!」 雄叫びを上げながらエリオはガジェットⅠ型に肉薄し、デバイスを力任せに突き刺した。 体内の魔力の全てを電気に変換し、ストラーダ表面を伝えて敵の体内に叩き込む。 内部機構を直接破壊され、黒煙を吐きながら完全に機能を停止したガジェットⅠ型を、エリオは槍に突き刺したまま振り上げ、まるで鉄槌を振るうように床に叩きつけた。 まるで硝子細工のように粉砕され、破片を撒き散らしながら爆発するガジェットⅠ型に、キャロが安堵したように吐息を零す。 「ありがとう、エリオ君……」 涙の残る顔で控えめに笑うキャロに応えるように、エリオは荒い呼吸を整えながら満面の笑みで親指を立てた。 その時、エリオによる仲間の破壊を静観していたガジェットⅢ型が、再び動いた。 無機質な――しかしどこか獲物を狙う猛禽のような鋭い光が三つ眼に灯り、撃ち出された三条の光線がエリオの背中を襲う。 しまった……迫り来る敵の攻撃に、エリオは愕然とした表情を浮かべた。 キャロを助けることで頭がいっぱいで、背後の敵のことまでは考えていなかった。 身を護るバリアジャケットは既に無く、回避も電撃による相殺や防御陣の展開――魔力が残っていれば、の話であるが――もこのタイミングでは間に合わない。 やられる……自身の甘さと現実の残酷さに歯噛みするエリオの前に、青い影が突如滑り込んだ。 「スバルさん……」 まるで盾になるように自分の前に立ち塞がる白い背中、まるでヒーローのように自分の窮地に颯爽と現れた仲間――スバルの名を、エリオは思わず呟いていた。 ≪Protection≫ 術式発動を告げるデバイスの声と共に、スバルは掌を前方へと突き出す……が、AMFが展開されているのか防御陣が出現することはなく、三発の光線が正面からスバルを直撃した。 「ぁ痛っ!?」 「「スバルさん!?」」 予想外の事態にスバルは小さく悲鳴を漏らし、エリオとキャロは唖然と声を上げる。 しかし第五車両の時には敵の不意打ちにあっさりと吹き飛ばされたスバルだったが、その際の教訓を生かしたのか、今度は踏鞴一つ踏まずに持ち堪えてみせた。 文字通り身を盾にして仲間を守り抜き、スバルは背中越しにエリオ達を振り返る。 「二人とも、よく頑張ったね。もう大丈夫だよ!」 笑いながら紡がれたスバルの科白は、根拠も説得力も――数秒前に本人があっさりと敵の攻撃を喰らったこともあり――皆無だったが、何故かエリオ達の心に染み入った。 格好良い……と、素直に思えた。 「さぁ、二人とも……皆で玉コロ退治といこーか!!」 不敵な笑みと共に轟くスバルの号令と共に、反撃が始まった。 天元突破リリカルなのはSpiral 第10.5話「初めて会っていきなりだけど、一緒に頑張ろうね(後編)」(続) 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/pazdra/pages/17960.html
暗黒スバル No.4674 レア度 6 レベル 1 最大Lv99 スキル スタードライブ 進化素材 コスト 35 HP 741 3555 ターン(最短) 35(10) タイプ バランス 攻撃力 267 1443 Lスキル ボクの暗黒の力を見せてやるさ 主属性 闇 回復力 63 340 進化元 星井スバル 編集 副属性 水 EXP 800万 8,000,000 進化先 星井スバル(退化) 覚醒 闇属性強化 / 闇属性強化 / スキルブースト / スキル封印耐性 / 操作時間延長 / 毒耐性 / 毒耐性 / チームHP強化 / マルチブースト 超覚醒 バインド耐性+ / チームHP強化 / コンボドロップ
https://w.atwiki.jp/subaru_levorg/pages/45.html
≪その他≫ 順次更新 ■スバル「レヴォーグ」は6月20日に発売延期、「EyeSight(ver.3)」量産を万全に(4/15) http //monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1404/15/news078.html ■熊谷泰典氏が語る レガシィツーリングワゴン そしてレヴォーグの魅力(3/7) http //www.goo-net.com/magazine/editors/201403/14030701_02.html ■先行予約も絶好調の「LEVORG(レヴォーグ)」に試乗--開発責任者が語る魅力とは(3/3) http //japan.internet.com/busnews/20140303/7.html ■スバル・レヴォーグは大ヒットの香り!~河村康彦(2/7) http //auto.hobidas.com/auto/impression/article/139624.html ■【弾丸試乗レポート 第52回】日本向けボディにスバルの最新技術を凝縮した 新型「レヴォーグ」プロトタイプ試乗レポート(1/31) http //magazine.kakaku.com/mag/hobby/id=1515/ ■“レガシィの正常進化版”レヴォーグ試乗レポート(1/27) http //allabout.co.jp/gm/gc/438884/ ■レヴォーグ・プロトに試乗。気になる走りは?(1/24) http //carview.yahoo.co.jp/article/testdrive/101924/ ■ドキュメント スバル「レヴォーグ」生誕の1日(11/25) http //magazine.kakaku.com/mag/hobby/id=1433/?lid=exp_102945_kuruma_top ■デザイナーズ インタビュー 東京モーターショー2013 「スバル レヴォーグ」(12/5) http //carnifty2.cocolog-nifty.com/sugimoto/2013/12/2013-6ad1.html
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1855.html
Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~ 一人の少女「スバル」と猫型マオチャオ「香鈴」の飽くなき(?)戦いの日々。 レイヴンと呼ばれる神姫の正体とは? (戦闘描写はあまりうまくありません。時折、神姫破壊描写があります) Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~設定資料 武装設定 サブキャラクター&その他神姫紹介 施設&オリジナル神姫設定 著:kuon(スバル・ナカジマ) 第一話『出会い』 第二話~レイヴン~ 第三話『要注意神姫…KARASU』 1・2・3話を終えて(スバルとユカイな神姫たち座談会)
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/436.html
スレ住人の皆様 遊戯王系単発SS クロス元:遊戯王 294氏 無題(仮) 294氏 一発ネタ(仮) 301氏 1発ネタ 遊戯vsなのは 294氏 第?話 正義の味方?参上 反目のスバル氏 リリカル遊戯王GX番外編 「最強! 華麗! 究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)~前編~」 反目のスバル氏 リリカル遊戯王GX番外編 「最強! 華麗! 究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)~後編~」 反目のスバル氏 無題(仮) エラッタ氏 無題(仮) 三十七代目スレ403氏 キャロが千年リングを見つけたそうです TOPページへ このページの先頭へ
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/34181.html
登録日:2016/04/16 Sat 11 27 48 更新日:2024/07/28 Sun 13 28 23 所要時間:約 26 分で読めます ▽タグ一覧 16年春アニメ 2012年 20年夏アニメ 21年冬アニメ 24年秋アニメ MF文庫J Re ゼロから始める異世界生活 WHITE FOX web小説 アニメ アニメ化 ギスギスシーン多し グロ グロ注意 タイムリープ パチンコ化 ファンタジー ライトノベル リゼロ ループ ループもの 大塚真一郎 小説家になろう 死に戻り 異世界 異世界かるてっと 異世界もの 読む劇薬 長月達平 鬱展開多し 鼠色猫 たとえ君が忘れていても、俺は君を忘れない。 ◇概要 『Re ゼロから始める異世界生活』は、長月達平によるライトノベル。 イラストは大塚真一郎が担当している。 MF文庫Jより刊行。 ◇あらすじ コンビニ帰りの高校生の菜月昴がふと気がつくとそこはまるでファンタジー小説のような異世界であった。 しかし、異世界に迷い込んだ彼に特殊な能力など何もなく、早々にチンピラたちに絡まれ、タコ殴りにされてしまう。 そこを救ってくれたのは、謎の銀髪美少女サテラであった。 ◇登場人物 ◆ナツキ・スバル(菜月昴) 声 - 小林裕介 主人公の少年。コンビニ帰りにジャージ姿で異世界へ召喚される。 若干引きこもり気味で、学校もサボりがちだった。 自称コミュ力0の引きこもり。 異世界には来たものの、特に強くなったわけでもなく、ナイフを持ったチンピラにも絡まれても何もできない始末。 窮地を救ってくれた少女サテラと仲良くなり、助けてもらったお礼に彼女が盗まれたという“徽章”を一緒に探すことになる。 やがて、つかんだ手がかりをもとに貧民街の盗品蔵を訪れるが、そこで何者かに襲われ、命を落とす。 ◆サテラ 声 - 高橋李依 スバルを助けた銀髪の少女。 精霊のパックを連れた精霊使いで、氷の魔法を得意とする。 超がつくほどのお人好しで面倒見がよいが本人はそれを頑なに認めようとしない。 盗まれた“徽章”を探している。 スバルと共に盗品蔵を訪れ、彼と同じく命を落とす。 ◆パック 声 - 内山夕実 小さな猫の姿をした精霊で、サテラのお供。 大きさは自由に変えられる。 強い力を持つが、夜は行動できず、サテラを助けることはできなかった。 ◆トン・チン・カン 声 - 山本格(トン)、室元気(チン)、山下大輝(カン) 街中でスバルに絡んだチンピラ三人組。刃物を持ち歩いている。 サテラに追い払われる。 追記・修正は何者かに殺されてからお願いします。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- 「──どうしたよ、兄ちゃん。急に呆けた面して」 「は──?」 「え? え? ───どゆこと?」 ◇概要 『Re ゼロから始める異世界生活』は、長月達平によるライトノベル。 イラストは大塚真一郎が担当している。 MF文庫Jより刊行。 ◇あらすじ 貧民街で何者かに殺された菜月昴がふと気がつくと、そこは元の商店街であった。 何が起きたのか理解できないスバルは、ひとまず惨劇のあった貧民街の盗品蔵に向かうことにする。 ◇登場人物 ◆ナツキ・スバル(菜月昴) 声 - 小林裕介 主人公の少年。コンビニ帰りにジャージ姿で異世界へ召喚される。 実はそこそこ鍛えており、身体能力もそこそこ高く、相手が素手であればチンピラ相手にも引けを取らないくらいには腕っぷしは立つ。 貧民街の盗品蔵を訪れ、盗品蔵の主のロム爺立会いのもと、徽章を盗んだ張本人であるフェルトとフェルトに盗みを依頼したエルザを相手にした交渉する。 その結果、徽章を取り戻すことに成功するが、自身の失言がきっかけとなって態度を豹変させたエルザにククリナイフで腹を切り裂かれ、命を落とす。 ◆トン・チン・カン 声 - 山本格(トン)、室元気(チン)、山下大輝(カン) 街中でスバルに絡んだチンピラ三人組。今回は刃物は使わない。 実は素手のケンカはそこまで強くなかった。 不意を打たれてスバルに伸される。 ◆ロム爺 声 - 麦人 貧民街で盗品などの買取や販売、交渉などを取り扱っている店、「盗品蔵」を取り仕切っている老人。巨人族。 フェルトが幼いころから何かと面倒を見ており、彼女の親代わりのようなもの。 粗暴そうな見た目に反して目が効く。 態度を豹変させたエルザを相手に棍棒で立ち向かうが敵わず、のどを引き裂かれて殺される。 ◆フェルト 声 - 赤﨑千夏 貧民街に暮らす小柄な金髪の少女。 スリなどを行っており、金をもらえば盗みの依頼も引き受ける。 エルザに依頼され、サテラから徽章を盗んだ張本人。 風の魔法でエルザに対抗するが、全く歯が立たずに返り討ちに会い、死亡する。 ◆エルザ・グランヒルテ 声 - 能登麻美子 フェルトにサテラから徽章を盗むよう依頼した人物。妖艶な女性。 交渉の末、一度は徽章をスバルに渡すことを認めたが、「徽章を元の持ち主に返す」とスバルが口を滑らせたことで態度を豹変させ、 スバル、ロム爺、フェルトの3人を惨殺する。 追記・修正は謎の女性に切り殺されてからお願いします。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- 「──兄ちゃん、ボーっとしてんなよ。」 「もう、わけわっかんねぇ……」 ◇概要 『Re ゼロから始める異世界生活』は、長月達平によるライトノベル。 イラストは大塚真一郎が担当している。 MF文庫Jより刊行。 ◇あらすじ 盗品蔵でエルザに腹を引き裂かれて殺された菜月昴がふと気がつくと、そこは元の商店街であった。 何が起きたのか理解できないスバルは、歩いているサテラを発見し、彼女を呼び止めるが、何故か彼女に強烈な敵意を向けられる。 路地へと去った彼女を追ったスバルの目の前に現れたのは3人のチンピラだった。 ◇登場人物 ◆ナツキ・スバル(菜月昴) 声 - 小林裕介 主人公の少年。コンビニ帰りにジャージ姿で異世界へ召喚される。 サテラを見つけて呼び止めるが、彼女に強烈な敵意を向けられてしまう。 彼女を追った先の路地で出くわしたチンピラたちにいきなりナイフで刺され、命を落とす。 そこそこ鍛えてはいたが、流石に武器を出した相手にはどうしようもなかった。 ◆サテラ(仮) 声 - 高橋李依 銀髪の少女。 サテラというのは本名ではなかったらしく、その名で呼んだスバルに強い敵意を向けた。 ◆トン・チン・カン 声 - 山本格(トン)、室元気(チン)、山下大輝(カン) 街中でスバルに絡んだチンピラ三人組。 実は頭に血が上りやすいたちで、カッとなった勢いでいきなり相手にナイフを突き立てるような危険人物であった。 追記・修正はチンピラに刺し殺されてからお願いします。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- 「つまりこれはアレだな、信じ難い話だけど…」 「『死に戻り』ってやつか。」 ◇概要 『Re ゼロから始める異世界生活』は、MF文庫Jより刊行されているライトノベル。 作者は長月達平。イラストは大塚真一郎が担当している。 既刊46巻(本編33巻、短編集8巻、外伝5巻 2023年3月時点)。大体三ヶ月に1巻を目安に刊行されている。 公式略称は「リゼロ」。 もとは長月達平が鼠色猫のアカウント名で「小説家になろう」にて連載していたオンライン小説。 2014年1月から書籍化されたが、webの方も削除されておらず、今でも更新されているのでこの作品が気になっている人はweb版から読んでみるのもいいかもしれない。 書籍化にあたって一部文章が改訂されており、全体的に読みやすくなっている他、一部web版とは異なる展開となっている部分もある。 異世界転移ものだが、主人公のスバルが持つのは『死に戻り』の能力ただ一つ。俺TUEEEEなんてとても言えない。 いわゆるループもので、ファンタジー作品であるが、サスペンス要素も強い。 2015年「このWEB小説がすごい!」では第2位、 「このライトノベルがすごい!2017・ラノベ部門」でも第2位に輝いた。 シリーズの累計発行部数は1300万部となっている(2023年3月時点)。 ◇あらすじ 異世界に迷い込んだ普通の高校生、菜月昴が出会った美しい銀髪の少女。 彼女の力になりたくて、そばにいることを望んだスバル。 だが、彼女の背負う宿命は、スバルの想像を超えるものだった。 次々と襲い掛かる敵。裏切り。理不尽な暴力。─そして『死』。 無力な少年が手にしたのは、死して時間を巻き戻す唯一の能力『死に戻り』。 それは誰もが笑っていられる世界へと導く可能性──スバルの命と孤独を糧として。 彼女が傷つくのは見たくない。 そのためならどんな相手でも、どんな運命であろうとも、全部ねじ伏せる! 力を使えば過去は失われ、思い出すらも書き換えられる。 忘れられた思い出を一人秘め、ボロボロに傷つき、心をすり減らし、命を賭して─ ──それでもスバルは抗い続ける。 大切な人たちを守るために。 確かにあったはずのかけがえのない時間を、取り戻すために。 ───たとえ君が忘れていても、俺は君を忘れない。 ◇主な登場人物 ◆エミリア陣営 ◆ナツキ・スバル(菜月昴) 声 – 小林裕介 本作の主人公。17歳。 何の前触れもなく、コンビニの帰りに突如日本から異世界へと召喚される。 元の世界では高校生。若干引きこもり気味で、学校もサボりがちだった。 容姿は黒のオールバックに三白眼で、特別人目を引くほど不細工でも美形でもない、平凡な顔立ち。 自分は冷血漢な人間だと卑下しているが、実際には情に厚い性格で、割と熱血漢。 一方で、普段から少しウザいくらいテンションが高く、常日頃からふざけた態度や気取った態度をとることが多い。また、少々図々しいところがある。自身のテンションに周りがついていけず、気がついたら孤立していたタイプ。いわゆるアッパー系コミュ障。 かなり一途で、異世界にて救ってくれたエミリアに恋心をいだき、彼女のために奮闘する。 元剣道部で、普段からそこそこ鍛えていたため、チンピラに素手でケンカに勝つ程度の度胸と腕っ節は持っており、バック宙も決められたりと、元の世界基準で言えば身体能力は高い。 が、元の世界でも一流の天才やプロのレベルには及ばず、当人も認める半端者。上記のようにモブ相手でも武器持ちだとあっさりと殺される。常人より少し強い程度なので、この世界の腕利きやら獣やらと対峙しては死亡しまくる。なんならそのへんの行商人にすらケンカで負ける。 異世界にあった“魔法”に関しても才能なしの烙印を押されている。 頭の回転に関しても平凡よりは若干回る程度。異世界転移した身であるため仕方ないのだが、世界の常識に関しては全く無知。 そんな彼が唯一持つ能力は、死ぬと記憶を保ったまま、一定の場面まで舞い戻ってくる『死に戻り』の能力であり、この能力ただ一つを武器として、幾多の困難に立ち向かっていくこととなる。 はっきり言って「俺TUEEEE」どころか、「スバルが一体何をしたっていうんだ」と言いたくなるくらいひどい目に遭い続けている。 最初は甘かったり思慮が足らなかったりする面もあったが、幾多の死線を乗り越え、人間的に成長していく。 ◆エミリア 声 – 高橋李依 本作のメインヒロイン。 スバルに初めて会った時にはサテラと名乗っていた。 銀色の腰まで届く髪を持つハーフエルフの少女。瞳の色は紫紺。 髪型は日々変えている。 世情に疎いところがあり、それと生来の素直さが合わさって少々天然気味な女の子。 「すごく」を「すごーく」と強調する口癖があり、また、世情に疎い故かスバルに「今日び聞かない」と言われるような古い言い回しを使うことがある。 異世界の人々から恐れられている「嫉妬の魔女」と同じ外見を持つことからか偏見で見られるなどの辛い思いをしてきたと思われ、自分のことを卑下しがち。 超がつくほどのお人好しで、困った人を放っておけない面倒見がよい性格なのだが、上記の理由からそれは自分本位が先走った故と思っており、頑ななまでに自分の善行を認めようとしない。ある意味面倒臭い性格をしている。 火を司る大精霊パックと契約している精霊使い。熱量を操る魔法を得意としており、氷系統の魔法を好んで使う。 また、他の微精霊とも契約関係にあり、それ以外の系統の魔法も一通り扱うことができる。 実は物語の舞台であるルグニカ王国の王位継承権を持つ人間の一人であり、それゆえ多くの敵を持つ。 さらにアニメでは、物語の途中でスバルとケンカ(?)してる間、出番がレムに持ってかれたためか、次回予告で爆裂魔法を操る頭おかしい少女になってしまった。(中の人が同じで次回予告の台本もそのラノベ作家が書いたため。) ◆パック 声 – 内山夕実 エミリアと契約している大精霊。火を司るが、“熱量”を操れることから、氷系統の魔法も得意とする。 また、ある程度までなら人の心を読むことなどができる。 夜は精霊石の中で休む必要があるため、夜間は行動できない。 灰色の体毛をふさふさに生やした二足歩行の猫の姿をしているが、大きさは手のひらサイズから人間大まで自在に変えることができる。 かなりマイペースな性格。 エミリアの保護者同然の存在で、彼女を過保護なまでにかわいがっており、彼女に対して敵となるものには容赦がない。 また、エミリアが死亡した時には本来の姿・終末の獣となり、周囲を永久凍土へと変貌させる。 ◆ロズワール・L・メイザース 声 – 子安武人 ルグニカ王国の筆頭宮廷魔導士で、辺境伯の貴族。ルグニカ王国の王位継承権を持つ人間の一人であるエミリアの後ろ盾。 藍色の長髪を伸ばした、細身の男で、左右の目は青と黄色の色違いのオッドアイになっている。 王国有数の魔法使いで、六種類全ての魔法の属性に適性を持ち、いずれの魔法も万全に扱うことができる。 マナの扱い、威力、速度など全ての領域において王国の頂点に立っており、彼ひとりでひとつの軍隊に匹敵する戦力を持っていると認識されている。 一方で、常日頃から道化じみた格好とメイクを好んで身にまとう変わり者。常に手帳を持ち歩き、気に入った言葉をメモすることを趣味の一つとしているほか、間延びした独特のしゃべり方と、ふざけているとしか思えないような言動をする残念な人物でもある。 王都では亜人趣味の変態貴族で通っており、エミリアやスバルにも変態呼ばわりされている。 ラムには心酔されており、作中何度か彼女とただならぬ関係を結んでいることを示唆する描写も存在する。 彼の心情吐露を見る限り、決して人間味皆無の冷血漢の類ではない。しかし、その裏には一筋縄ではいかない何かを持つことも示唆されている。 実は、ラムの村が襲われた事件に関わっている。福音の予言が当たり続ける限りラムはロズワールにつき従い、福音の予言が外れたら逆に彼がラムに従うという契約を結ばせた。 ◆ラム 声 – 村川梨衣 ロズワール邸にて働く双子メイドの姉。双子の妹のレムとの息はぴったり。 桃色の髪をショートカットにして、垂らした前髪で左目を隠している。レムと比べると少し小柄。 ロズワールに忠実でぞっこん。妹のレムに対しても深い親愛の情を持っている。 しかしそれ以外の周囲の人物に対する態度は基本的に傲岸不遜で、特にスバルに対しては容赦のない毒舌をお見舞いする。 スバルを「バルス」というどこぞの呪文のようなあだ名で呼び、基本スバルには遠慮のない言動をぶつける。 しかし、彼が命懸けでレムと自分を助けようとし、その後にレムの長年のコンプレックスを解消したことで、 「レムを任せられる相手」という一種の信頼も彼に向けるようになった。 普段はレムと共に、メイドとしてロズワール邸の家事全般を担っている。 家事は苦手というわけではないが、家事全般の能力は妹のレムに劣っている。レムが不在の1ヶ月程度で屋敷がゴミ屋敷になったため苦手でないというのも怪しい 基本的にマイペースで、少し怠け癖があり、何かと隙を見つけては仕事をさぼっている。 ◆レム 声 – 水瀬いのり ロズワール邸にて働く双子メイドの妹。双子の姉のラムとの息はぴったり。 水色の髪をショートカットにし、垂らした前髪で右目を隠している。 姉のラムと容姿は瓜二つだが、ラムよりもわずかに胸が大きい。 姉のラムに強く依存しており、ロズワールにも忠実だが、それはラムが彼に心酔しているからである部分が大きい。 ラムと比べると口調こそ丁寧だが内容自体は失礼という、いわゆる慇懃無礼な言動を取ることが多い。姉同様、スバルには特に手厳しい。 料理、掃除、洗濯といった家事全般がすべて姉のラムよりも得意であり、現在のロズワール邸の機能維持は彼女が不可欠となっている。 サボりがちな姉よりも真面目で、職務にも忠実だが、その分少々短慮で先走りがちなところがある。 第2部終盤でスバルに幼い頃からのコンプレックスを解消されたことをきっかけに、彼に想いを寄せるようになる。 その愛情からくるレムの命懸けの献身は幾度となくスバルを救い、エミリアと同じくレムも、彼の心の支えになっていく。 作者の予定以上に動き回り、いつの間にかエミリアと並ぶヒロインポジションに収まったキャラクターで、読者人気も非常に高い。 作者曰く「初期のプロットの面影がほとんどない」ほど変わったキャラクターだという。 スバルに最も優しく、同時に最も厳しい人物。 ◆ベアトリス 声 – 新井里美 ロズワール邸の、禁書庫の司書を務める幼い少女。 常日頃から禁書庫の中で生活しており、食事の時以外は書庫から出てこない。 禁書庫の入り口は彼女の『扉渡り』の魔法で隠されているが、スバルはカンで禁書庫の扉を発見することができる。 容姿はクリーム色に近い淡い色合いの髪を長く伸ばし、縦ロールの形に編んだツインドリルテール。フリル付きのドレスを好んで着ている。 可憐な容姿に反して誰に対しても見下した態度で接しており、屋敷の主であるロズワールに対しても尊大な態度をとっている。一方で、パックのことは「にーちゃ」と呼んで強く慕っており、彼に対してだけは態度が違う。 魔法の実力は高く、回復魔法や空間魔法を使いこなす。 スバルとは馬は合うが気は合わない。 『実は、強欲の魔女』エキドナによって作られた人工精霊である。ロズワール邸が焼け落ちる際スバルに連れ出され契約する。 ◆オットー・スーウェン 声 - 天﨑滉平 灰色の髪をした行商人の青年。細身で温和な雰囲気の優男。 なにをしても結果がイマイチついてこない苦労人。非常にお人好しな性格で、助けを求められると拒めない。 本人は大商人を夢見ているがスバルたちにはその人の良すぎる性格から商人には向いていないと評されている。 『言霊の加護』をもち、あらゆる動物と会話し、意思疎通を図ることができる。 スバルとは行き掛かり上の出会いだったが、スバルの良き友人となる。 なしくずしにロズワール領の内政官にさせられた。 ◆パトラッシュ クルシュ陣営からエミリア陣営へと受け渡された漆黒の地竜。メス。 全ての地竜の祖とされるダイアナ種という種類であり、あらゆる環境に適応力を持っている。 何故かスバルにとてもなついており、スバルの窮地には一目散に駆け付ける。 ファンからはエミリア、レムに続くヒロインと冗談交じりに呼ばれている。 ◆ガーフィール・ティンゼル 声 – 岡本信彦 ロズワールが管理する「クレマルディの聖域」の顔役の青年。 実は14歳。 獣人の血を引いており、短気な性格。 ロズワールやラムとは長い付き合いで、ラムに惚れている一方でロズワールのことは嫌っている。 戦闘能力はかなり高く、作者によるとその実力はユリウスとほぼ互角。 スバルたちとは最初のループでの関係は比較的良好だった。しかしスバルが死に戻りをしたことで魔女の障気を漂わせるようになってからは態度を一変させ、4章の大きな障害の一つとしてスバルの前に立ちはだかる。 4章最終ループにて、スバル達との激しい戦闘を経て最後はスバル達と和解し、陣営の武官となる。 また、それ以降はスバルのことを大将と呼んで慕うようになった。 ◆フレデリカ・バウマン 声 – 名塚佳織 メイザース家メイド長。ラムやレムの先輩メイドにあたる。 ガーフィールの姉で彼と同じく獣人の血を引いており、戦闘能力もそれなりにある。また、その影響か女性としては背が高く、口元には牙が生えている。 物語開始の直前にロズワールの命で屋敷を空けていたが、4章にて帰還した。 「~ですわ」といったお嬢様口調で喋り、責任感が強く職務にも忠実。 ◆ペトラ・レイテ 声 - 高野麻里佳 赤の混じった茶色い髪をした少女。漫画・アニメ等では黄色の髪に赤のリボンカチューシャを着けている。 村の住民で、よく遊んでくれるスバルに懐いていた子供たちの一人。 自己中心的な部分があったが、スバルとの出会いや魔獣騒ぎを経て周囲の優しさに気づき、現在はほとんど見られない。 当初は、将来は都で服を作る仕事をしたいと夢を抱いていたが、後にロズワール家のメイド見習いとなる。 物覚えがよくフレデリカやラムに気に入られているが、好意を寄せているスバルの前では言葉遣いや態度が素に戻ってしまうことが多いため、たびたびからかいを交えた注意をされている。 ◆フェルト陣営 ◆フェルト 声 – 赤崎千夏 王都の貧民街育ちの浮浪少女。勝気な赤い目に金色の髪を持ち、髪はショートにしている。 悲惨な栄養状態にあったため、かなり小柄。八重歯がチャームポイント。 その生まれ故負けん気が強い性格で、金にがめつく、損得勘定にはうるさい。 普段は盗賊を生業に生活しており、エルザに依頼され、エミリアから王位継承権の証である徽章を盗んだ張本人。 風の魔法を操れるようで、それを用いて一気に屋根に跳び乗るなどの軽業じみた芸当が可能。 ロム爺は育ての親であり、彼のことを強く信頼している。 ◆ロム爺 声 – 麦人 王都の貧民街で、盗品蔵と呼ばれる盗品の商取引を専門に扱う建物を仕切っている老人。巨人族で筋肉質。棍棒を得物としている。 粗暴そうな見た目に反して目が効き、豊富な知識を持つ。 また、思慮深く、面倒見がいい性格であり、初対面のスバルに対しても親身に接した。 とある経緯で出会ったフェルトを孫のように溺愛しており、彼女の親代わりとなっている。 名前は似ているがラム・レムとは特に関係ない ◆ラインハルト・ヴァン・アストレア 声 – 中村悠一 王城の近衛隊の一員。燃えるような赤の頭髪に、空を映したような澄み切った青の瞳を持つ。 整った顔立ちはただの立ち姿ですら絵画の一枚であり、スバルも認める作中で一番の美男子。 『剣聖』の二つ名をもつルグニカ最強の騎士であり、王都でも知らぬものがいない有名人。 作者公認の作中最強キャラでありスバルが多少鍛えてる高校生レベルの強さとすれば、このラインハルトは最早ゴジラ。 投擲物による攻撃を無効化する『矢避けの加護』をはじめとした無数の加護の他、ただのチョップが名剣に勝る斬撃と化す身体能力(*1)を持ち、周囲のマナを独占して敵味方問わず魔法を使用不能にしたり、自動治癒能力があったり、憑依攻撃をあっさり弾いたり、一度限りの蘇生能力まであったり(*2)、望んだ加護が即座に与えられたりと 数え挙げればキリがない程の能力や加護を詰め込んでいる。 闇落ちルートにおけるスバル最大の敵。 最早次元が違い過ぎて、本気を出すと「もうコイツ一人で良いんじゃないかな」状態に必然的になる上に余波で味方も甚大な被害を蒙るため、鉄火場では出番が少ない。 一応、彼の携えている名剣は「相手が斬るに値する敵と剣が判断しなければ抜こうにも抜けない」という中々厄介な代物であったり、体質的な問題で魔法が使えない(使わないのではなく)という弱点もあるのだが、卓越した剣術と加護と身体能力でそれを補っているため、苦戦らしい苦戦はほとんどない。 その上、非常に強い正義感を持ち、誰に対しても馴れ馴れしい程に人当たりがよく、親しみやすい人柄の持ち主で、能力・人柄とも文句なしの英雄である。 傍から見る限りでは、一切の弱みの無い完全無欠の伝説的英雄である。が、その完全無欠さ故に、人間としてはいささか歪で不穏なものが首をもたげている。なお作者曰くラインハルト視点で物語を描写しようとするとネタバレ祭りになるらしい。 ◆トン(ガストン)・チン(ラチンス)・カン(カンバリー) 声 - 山本格(トン)、室元気(チン)、山下大輝(カン) 街中でスバルに絡んだチンピラ三人組。 紆余曲折を経てフェルト陣営に拾われ、陣営の下っ端としてこき使われている。 ◆クルシュ陣営 ◆クルシュ・カルステン 声 – 井口裕香 ルグニカ王国の次代の王を決める王選の候補者であり、最有力候補。深緑の髪を背中の真ん中ほどまで伸ばし、ひとつに束ねた凛々しい女性。 若くしてルグニカ王国カルステン公爵家当主の肩書きを父親から継いだ男装の麗人。非常に実直で高潔な人物で、自分にも他者にも厳しい姿勢と、正しくあることを追及する。 文武双方に優れた才覚を持ち、人の上に立てるカリスマ性も持つが、一方でどこか天然の気もある。 騎士はフェリス。付き合いは幼少の頃からで、強い信頼関係にある。 ◆フェリス(フェリックス・アーガイル) 声 – 堀江由衣 王選候補であるクルシュの騎士。フリフリの衣装に愛らしい仕草、そして頭には柔らかなネコミミの男の娘。 作中世界屈指の治癒魔法の使い手であり、その治癒術師としての腕を活かし、王国中の難病・重傷者を治療して回っている。 その見た目に合った愛嬌のある性格だが、どこか飄々とした雰囲気も纏っている。 天然の気があるクルシュをからかうこともあるが、彼女に向ける忠誠心は本物で、彼女を侮辱する相手には容赦しない。 態度に現すことはあまりないが、これまでに多くの人間の生死にかかわってきた経験上人の生き方に関してはかなりシビアな価値観をもっている。 なお、スバルを女性的な言動でからかったりもするが、彼自身の性的嗜好はおそらくノーマル。 ◆ヴィルヘルム・ヴァン・アストレア 声 – 堀内賢雄/石川界人(青年期) クルシュの従者の一人。色の抜け落ちた白い髪の老紳士。 かつては剣鬼の名で国中に知られた人物であり、その剣の腕前は今でも衰えておらず、加護や魔法の才覚を持っていないにもかかわらず作中トップクラスの強さを持つ。 穏やかで懐の大きい性格だが、厳しくすべき時は厳しく接する好々爺。 妻は先代剣聖のテレシア・ヴァン・アストレアであり、ラインハルトは彼の孫にあたる。 妻の仇討のため白鯨を追っていた。 スバルの活躍で白鯨を倒せたことを恩義に思っている。 ◆アナスタシア陣営 ◆アナスタシア・ホーシン 声 – 植田佳奈 ルグニカ王国王位候補者の一人。薄紫の柔らかな髪と、顔立ちに幼さを残した可憐な少女。 外見とは裏腹に隣国カララギの大商会を率いる若き商人であり、ルグニカ王国の財政改革をメインに掲げている。商人らしく打算的で、自分の利益に執着する守銭奴体質で、勝負所を見逃さない豪胆さも持ち合わせている。 一方で、人情家で義理堅い一面もある。 自分の国を手に入れることが夢であり、そのために王選に参加した。 ◆ユリウス・ユークリウス 声 – 江口拓也 王選候補であるアナスタシアの騎士。丁寧に整えられた、濃い紫色の髪をした美青年。 ルグニカでも有数の資産家貴族であるユークリウス家の長子で、幼い頃より近衛騎士として王国の剣となるよう英才教育を施されてきた血筋からのエリート。近衛騎士団に所属し、数ある騎士の中でも『最優の騎士』とされる優秀な人物。騎士という立場に強い誇りを持っているが、少々キザで皮肉屋な一面も持ち合わせている。 思慮深い性格だが良くも悪くも自分にも他人にも厳しすぎる性格をしている。 ラインハルトとは騎士団入団前からの友人であり、フェリスとも友人。 スバルとは出会い方こそ最悪であったが、実は昔のユリウスはスバルと似たような面があったそうで、彼との仲を取り持とうとするフェリスの働きかけや、スバルが中心となって成し遂げたとある偉業を聞いてユリウスが彼を見直したこともあり、 口でのやりとりはお互いを嫌い合うようなものでありながら信頼関係を徐々に結んでいき、最終的にはスバルを「我が友」と呼ぶようになった。 ◆リカード・ウェルキン 声 – 乃村健次 アナスタシア陣営の擁する傭兵団「鉄の牙」の団長。 褐色の短い体毛を生やした犬の獣人。 戦闘では大きな鉈を用いる。 アナスタシアとは陣営結成前からの仲間であり、アナスタシアの幼少期の保護者的な立ち位置にいた。 豪快で大雑把だが情に厚い性格をしている。 ◆ミミ、ヘータロー、ティビー・パールバトン三姉弟 声 – 藤井ゆきよ(ミミ)、潘めぐみ(ヘータロー)、下和田ヒロキ(ティビー) 傭兵団「鉄の牙」の副団長を務める、奔放な長女ミミ、大人しめな次男ヘータロー、理知的でしっかり者の三男ティビーの三姉弟。 特にミミは作者からも「作中でぶっちぎりになんの裏表もない安全人物」と言われている。 オレンジ色の体毛をした、猫の獣人。 傭兵団の副団長を務めるだけあっって、その可愛らしい見た目に反して実力は高い。 『三分の加護』を持ち、3人でダメージをシェアし、肩代わりすることができる。 ◆プリシラ陣営 ◆プリシラ・バーリエル 声 - 田村ゆかり ルグニカ王国王位候補者の一人。 橙色の背に届く程度の髪をバレッタで一つに束ねた、血のように赤い瞳をした少女。作中登場人物の中で一番胸が大きい。 『世界は自分に都合のいいようにできている』と公言してはばからない傲岸不遜、大胆不敵な言動と自分勝手な性格が特徴的だが、 並外れた豪運の持ち主であることは事実で、彼女が言うとおり、彼女が関わった事柄は全て彼女の都合の良いように回ってきたという。 それを示すかのごとく、これまでに彼女と結ばれた男はみな彼女に財産を残して変死を遂げており、『血染めの花嫁』の異名を持つ。 ◆アル(アルデバラン) 声 – 藤原啓治/関智一(アプリLostinmemories) 王選候補であるプリシラの騎士。年齢は30代後半。 首から下は普通の町人風の格好であるにもかかわらず、漆黒のフルヘルムで頭部を覆った異様な風貌をしている。 これまでに幾多の死線をくぐってきており、フルヘルムは顔に負った傷を隠すためのものである。 軽薄な言動におちゃらけた態度をとるが、時折シビアな言葉を投げかけることもあるなど、何を考えているのかわからない。王候補であるプリシラに仕える騎士の立場だが、彼にもプリシラにもそういった認識は薄い。 剣や魔法の才覚は凡庸なものだが、相手の裏を掻き、意表を突く戦術を得意としており、手堅い戦いを見せる。 その正体はスバルと同様に日本から異世界に召喚された人間の一人。18年前にこの世界へとやってきた。また、『死に戻り』ないしはそれに類する能力を持つことが示唆されている。 ◆敵 ◆エルザ・グランヒルテ 声 – 能登麻美子 フェルトにエミリアから徽章を盗むよう依頼した人物。 一周目と二周目でスバルを殺した張本人。 腰に届くほどの黒髪と透き通るほど白い肌、青少年には目に毒なナイスバディを持ちながら、露出度の激しい服を着た妖艶な美女。 彼女もまた何者かに雇われている。 その正体は王都で“腸狩り”の異名をとった傭兵。 二振りのククリナイフに似た形状の刃物を獲物とし、異常な身軽さと独特の戦闘センスでトリッキーに戦う。 作中でも屈指の実力者で、ラインハルトとも多少は渡り合えるだけの戦闘能力を持つ。 また、嗜虐趣味の持ち主で、人を殺すこと…というか人の腸に触れることに強い快感を覚える危険人物でもある。 ◆メィリィ・ポートルート 声 – 鈴木絵理 2章の黒幕で“魔獣使い”の異名を持つ殺し屋。エルザの妹分。 生まれつき『魔操の加護』を持ち、その力で魔獣を操ることができる。 村の子供達の中に紛れ込む形でアーラム村に潜入し、魔獣「ウルガルム」によってロズワール邸の面々の暗殺を図った。 ◆ペテルギウス・ロマネコンティ 声 - 松岡禎丞 魔女教の幹部である大罪司教『怠惰』担当。 深緑の髪を眉の長さで切り揃えて、虫のように無感情な目をした痩せぎすの人物。首を傾け、腰を曲げ、奇態な体勢で話すことを好む。 話し方、態度、言動すべてが紛うことなき狂人であり、人の命や尊厳を奪うことを何とも思わないどころか、そこに喜びすら見出す。 デスという語尾を多用する非常に特徴的なしゃべり方をする。 『怠惰』を担当するが本人は『怠惰』を嫌っており、魔女教の被害の中の半数は彼によるものと言われるほど積極的に活動している。 何者にも見えないにもかかわらず手足を引きちぎるだけの力を持った「見えざる手」と、相手の心身を蝕む「怠惰」の初見殺し能力を持つ。 ◇用語 ◆『死に戻り』 主人公のスバルが持つ能力。 自分の死亡と共に、自分の記憶以外の時間を全て巻き戻す。いわゆるタイムリープの能力。 任意では一切発動できないため、やり直しを望んでも一度は死の苦痛や断末魔を味わわなければならない。 セーブポイントのような死に戻りの基準点があり、死んだ際はそこで復活するが、オートセーブのようで、スバルの任意で決めることはできない。 基準点は長時間生きながらえることができれば別の時点に更新される。基準点がどのようにして決まるのかは不明瞭。 死に戻った後のスバル以外の人間は前の世界線の記憶は一切持っていない。 また、『死に戻り』の能力や、この能力によって得た情報を他人に話そうとするとまるで黒い霧のような謎のビジョンとともに、激痛と麻痺がスバルを襲う。そのため、スバルはこの能力や自身の事情について他人には一切話すことができないでいる。 これらの理由から、スバルはもしも前の世界線での誰かや自分の死の結末を覆したいのであれば、自分ひとりでどうすれば良いのかを考えて行動するしかない。 後述する嫉妬の魔女と何らかのつながりがあることが示唆されている。 ◆親竜王国ルグニカ スバルが召喚された異世界の国家。この物語の主要な舞台。 いわゆる中世ファンタジー世界のような感じで、人間だけでなく獣人や亜人も暮らしている。 竜と盟約を結んだ王族の先祖が建国したと伝えられている。 病によって王とその世継ぎが相次いで死去したため王不在の状態になっており、国中から選ばれた「王候補」の中から王を選出する運びとなっている。 ◆嫉妬の魔女『サテラ』 かつて存在した大罪の名を冠する六人の魔女を全て喰らい、世界の半分を滅ぼしたと伝えられている、異世界では口にすることすら禁忌とされている存在。 現実世界のドイツのこの人やハリー・ポッターのあの人のようなもの。 竜と英雄と賢者の力を持って封印させられたという話と、彼女は銀髪のハーフエルフであったという話が伝わっている。 ◆マナ いわゆるMP。 この世界の魔法使い等は、周囲のマナを体内に取り込んで、いわば自らの糧とした後に、体内にあるマナを、ゲートと呼ばれる身体機関を通して用いることで魔法を使う。 ゲートからマナを吸う量にも資質があり、使用の効率性だけでなく、マナの支配圏の争奪戦も戦いの結果や魔法の質を左右する。 マナは生命活動の源であるため、使用しすぎると体が著しく衰弱し、完全に枯渇すれば廃人と化す。 ◆精霊使い エミリアのように、精霊の力を借りて術を行使する存在。 精霊と契約すれば当人の資質は関係なく精霊使いとなれるが、強力な精霊になればなるほど術者が支払うマナなどの代償は重くなる。 魔法使いと違う点は、術の行使に自身のマナでなく、大気中のマナを消費する点と、精霊自身も実体化することで精霊使いと同じように術を行使できるという点。 敵からすれば術者と精霊の二体を同時に相手にしなければならないため、戦場では非常に厄介な存在と認識されている。 ◆魔女教 『嫉妬の魔女』を崇める狂信者集団。本作最大の敵。 『嫉妬』を除いた大罪の名を冠する六人の大罪司教と呼ばれる幹部がいる。 神出鬼没で一切が謎に包まれているが、現れるたびに甚大な被害を生み出す惨劇を引き起こしてきた。そのためルグニカをはじめとした各国で恐れられており、騎士団には即時滅殺の掟まである。 嫉妬の魔女が作中世界で非常に恐れられ、忌み嫌われているのは彼らの存在によるところも大きい。 ◆IFルート ナツキ・スバルやレムが本編とは異なる選択を選んだ場合に生まれる「もしも」の世界を描いた物語。 毎年、エイプリルフール(余談だがスバルの誕生日も同じ4月1日である)に1話完結の話がweb版に投稿される。レムとスバルが結ばれ家庭を築いたルートもあればスバルが闇堕ちしてしまうルートもある。単発の話でありながら完成度は非常に高く、IFルートのファンも多い。本編を読んだうえで読むとより楽しむことができるだろう。 ◇アニメ 2016年4月よりテレビ東京系の一部局でテレビアニメが放送開始。 制作は「Steins;Gate」や「ご注文はうさぎですか?」を手掛けたWHITE FOX。 第1話は1時間スペシャルで放送された。 2クール全25話。 プロデューサーの田中翔氏によれば、本作のアニメは毎話ごとにいかに盛り上がりと次週に向けての引きを作るかということにこだわっているとのこと。 また、第1話は物語の構成上どうしてもあそこまで見せないと魅力を伝えられないという理由で、少々無理をして1時間スペシャルにしたという。 その後もOP・EDの時間を削って尺ギリギリまで話を詰め込むなど、放送中にも「無理」を度々通している。 果ては次回予告の時間まで削っており、本作の次回予告は各動画サイトでの限定公開になっている。 本編から切り離されているのをいいことに次回予告は全力でふざけており、予告らしいことはまるで言わない。 13話以降では「作者の友人」として他のラノベ作家が予告を担当している。特にこのすば作者の18話予告はひどいと評判。 その盛り上がりは、作品自体のターニングポイントになる第18話でピークを迎えるよう計算されており、 田中Pは「主人公がウザいのは仕様」「第18話以前のスバルには共感しないでほしい」と結構ヒドい発言をしている。 果ては、「最低で、最高で、絶望で、希望で、そして・・・心灼く25分45秒が始まる」と銘打ち、 都内の駅に第18話のためだけの広告を貼り出すという前代未聞のプロモーションが行われた。 ネットでの一部ではOPが逆再生してもきちんと映像として成り立つということが話題になった。 このことについては、最初と最後がつながるような絵コンテを切ってもらったが、映像として成り立っていること自体は偶然だということである。 ただし尺の都合上通常のOP・EDが流れる回が驚くほど少なかったりもする。 2018年10月にOVA第1弾「MemorySnow」が劇場上映され、後に新編集版でEXTRA11.5話として放送された。 2019年11月にOVA第2弾「氷結の絆」を公開。 2020年1月に第1期に新規カットの追加及び一部台詞を再録して再編集した「新編集版」を1時間枠で放送。 新編集版・第2期はTOKYO MX・BS11を中心とした放送形態に変更され、地上波で視聴可能なエリアにも変化が見られたが、 BS11を視聴できる環境なら全国各地で視聴できるようになった。 そして2020年4月より待望の第2期が放送開始。 ………されるはずだったが、新型コロナウイルスの影響により製作スケジュールが大幅に遅れた為2020年7月に延期になった。 延期との関連は不明であるが、分割2クールでの放送となり、2クール目は2021年1月からの放送。 各話の構成は第1期を踏襲しているが、第29話では遂にCMもカットされ、通常のEDを含めて29分30秒の本編を放送した。 2期は1期以上に通常のOP・EDが流れる回が少なく、CMもカットされるようになり、特に2クール目以降はほとんどの話数が本編29分30秒というとんでもないことをしている。 AnimeJapan2023にて第3期の製作決定が発表された。 追記・修正は死を越えてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] コメント欄が長くなってきたのでリセットしました -- 名無しさん (2017-03-18 12 39 01) もうすぐ新作OVAが出るけど、そのままの勢いで2期やってくれんかな -- 名無しさん (2017-11-23 22 02 31) 今更新分まで読み終わったけど、一番絶望する場所で切られてしまった -- 名無しさん (2018-03-17 21 08 09) 祝! 二期決定!! -- 名無しさん (2019-03-23 20 25 41) ただの俺TUEEE系だと思って読み始めると後悔する作品。良い意味でも悪い意味でも。めちゃくちゃ面白いけどハードすぎてめちゃくちゃカロリー使う -- 名無しさん (2019-07-08 00 26 13) 境界の彼方関連のようつべで過去のアニメと比較してこれ叩く奴見かけた時はイラっと来た。16年はこれしか良いの無いとか言う奴いたけどジョジョとかプリヤとか他にも色々良いのあっただろ。昔のアニメの方がレベルがどうのとか言ってる奴もいたけど、こういう事言う奴ってそのアニメの肩書が好きなだけなのと単にリゼロとかが自分にあってなかっただけってのがはっきりわかんだよね。 -- 名無しさん (2019-09-02 11 42 01) ↑ ハルヒとかクラナドと比較してる馬鹿いたけど、これも普通にそれらと対して変わりないってか遜色ない出来だと思うんだがな。 俺は異世界物には抵抗ある方だけど、これとこのすばは素直に楽しめた。 -- 名無しさん (2019-09-02 11 49 39) 時代とかその辺の違いはあるかもしれないけど、ドラマ性においてハルヒ、クラナド、ギアス以下は無いと思うわ。原作アニメ共に結構作りこまれているのに。 -- 名無しさん (2019-09-02 11 57 01) なろう系が氾濫した今になって思うと主人公が全く強くない、それどころか凄まじく無様を晒す、っていうなろうの人気作と真逆の作風なのになろうで人気が出たって凄いと思う -- 名無しさん (2019-09-02 12 46 29) 最新話でこれまでの不気味で歪んだ印象だったシャウラのイメージが一気に塗り変わったわ。やっぱこの作品すごいと思う -- 名無しさん (2019-09-03 20 30 23) ↑2なろう系は好きではないけど、これとこのすばは例外。特にバルスの愛する人の為に必死に戦う姿は決して過去のアニメと比較して劣ってるものとは思えないし、諦めかける事もあるけどアニメ18話のように自分がやってきた事が良い意味でお返しされることもあるからこの作品凄く好感持てるわ。 -- 名無しさん (2019-09-10 14 53 42) ハルヒとかクラナドとかと比較してこの作品叩いてる奴はそもそも面白さのベクトルが違う時点で比較する必要ないだろ -- 名無しさん (2019-09-20 14 38 20) そんな人いるのか -- 名無しさん (2019-09-20 16 16 00) 記事の構成は面白いけど、読みにくいのどうにかならないのかなぁ -- 名無しさん (2019-09-28 00 06 48) youtubeでこの作品を過去のアニメと比較して侮辱する奴いたの見かけた時はイラっときた -- 名無しさん (2020-03-15 19 15 06) 無印の「ゼロから始める異世界生活」があって、それの続編か何かだと思ってたから、本放送当時は「無印を見てないから(当たり前だ。そんなものは存在しないのだから)これも見なくて良いや」とスルーしてた。 -- 名無しさん (2020-03-16 17 21 47) 初期のスバルはアッパー系のコミュ障 ふざけた態度を取って虚勢を張らないと他人とまともに接する事ができない そのため学校で孤立して不登校児になったのでスバル本人にしたら「コミュ力0」は謙遜でも何でも無く事実 -- 名無しさん (2020-04-07 22 09 01) フェリスはweb版だと割と冷酷なところがある 書籍版とアニメ版では、かなり優しい性格に変更されてる -- 名無しさん (2020-04-11 06 23 02) 境界の彼方ってもっと古い作品だと思ってたけどあれも16年だったっけ?同じエスマ文庫のファントムワールドと間違えてない? -- 名無しさん (2020-04-23 20 44 18) ラインハルトとフェルトコンビが準主役級のポジションかと思いきや意外に出番が少ないので驚いた。ラインハルトの心理描写を敢えてしないようにしてるって事は、何かとてつもない秘密があるのか…? -- 名無しさん (2020-09-01 22 47 33) ↑ラインハルトの強さは異常だし、望んだ加護が即座に宿るのも謎だし、間違いなく何かあるだろうな -- 名無しさん (2020-09-27 13 00 49) エキドナが意味わからなくて怖いわ -- 名無しさん (2020-09-27 13 05 53) ↑エキドナは、目的が知的欲求と好奇心なのを除けば、まどマギのキュウベエに近い精神性だよ 他人の感情が理解できないのも、嘘はつかないが都合の悪い事は隠し、盛大に詭弁と欺瞞を用いて他人を誘導し思い通りにしようとする手口もキュウベエと同じだ ただキュウベエに比べたらエキドナには感情がある 嫉妬の魔女への憎悪や他の魔女への友情は本物(それすら自分の知的欲求と好奇心のためなら利用するが) -- 名無しさん (2020-10-10 05 46 50) ついに第6章完結。 -- 名無しさん (2020-11-06 14 09 11) ドナは自我死んでるからもう本来の自分を気がついたら失っていた印象。加えて死んでも未だ魔女としての部分に囚われてる辺りかなり不幸。何より「本心」が死んでしまったからもう言葉の一つ一つ全てが自分から見ても中身の無いもんになった。要は衝動だけの心 -- 名無しさん (2020-11-10 12 18 51) マグサリオン「悪はどこだ?屑はどこだ?全員殺し尽くす、邪魔する奴等も同じく死ね、俺に仲間などいらん」 -- 名無しさん (2021-05-05 17 32 21) 誰だよ無関係なキャライラね -- 名無しさん (2021-05-05 17 39 30) ロズワールとかガーフィールの項目あってもいいと思う -- 名無しさん (2021-06-29 16 28 19) ↑4エキドナの自我が死んでるって、どこ情報だよ? 原作を読む限り、エキドナは記憶も自我もしっかり残ってるぞ 原作では新しい肉体も得て、楽しくやってる 襟ドナと分離したから情愛を失った説はあるけどな -- 名無しさん (2021-09-14 21 19 28) 魔女関係とか大罪司教関係は作者のaskとかが絡み合って複雑なんだよな。二重人格や精神汚染を否定するような発言もちらほらあるし現状だとようわからん -- 名無しさん (2021-12-06 00 38 03) ずっと生死不明だったゴズさんが生きててよかった -- 名無しさん (2022-12-24 15 12 52) パチスロの方も未だに大人気(一回の当たりで稼げる玉数がデカイ) -- 名無しさん (2023-05-13 17 11 23) アルの素性はスピンクスと同じでエキドナの被造物なのかな? スバルのコピーか、フリューゲルのコピーか そもそもスバルとフリューゲルの関係も謎だけど -- 名無しさん (2024-05-18 19 13 14) まさかこんな展開になるなんて… -- 名無しさん (2024-06-03 22 07 14) 一期しか見てないけれど死に戻り可能なら作者、身内をエグい死に方させるのいくらでもできるんだなと感じてしまって続き見れなくなった…主要陣のそんな展開(あるのか分からないが)やり直しできるとして結末がキレイな展開だったとしても流石に自分は見れない… -- 名無しさん (2024-06-04 00 15 41) まさか王選前にして脱落者が出るとは -- 名無しさん (2024-06-05 22 27 48) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/preciousmemories/pages/2947.html
《坂町 近次郎(007)》 キャラクターカード 使用コスト2/発生コスト2/緑/AP20/DP20 【制服】/【メガネ】 このカードは、手札にある状態で自分の「近衛 スバル」がいる場合、自分のメインフェイズ以外でも登場することができる。 このカードが登場した場合、アプローチに参加している自分のキャラ1枚を手札に戻す。または、自分のキャラ1枚を活動状態にする。 (呪われている! チキンなんて忌々しい単語が名前に組み込まれているなんて!) まよチキ!で登場した緑色・【制服】【メガネ】を持つ坂町 近次郎。 自分の近衛 スバルがいる状態で手札にある時に自由登場できる効果、登場した時にアプローチ中の自分キャラをバウンスするか、自分キャラを活動状態に戻す効果を持つ。 条件こそあるが、近衛 スバルがいるだけでいいので条件は緩い。 登場させた時に次の効果から選択して発動することになる。 アプローチ中の自分キャラをバウンスする効果 自分キャラを活動状態に戻す効果 1つ目の効果はバウンスエスケープであり、返り討ちにあったキャラの退場を防ぐことができる。 しかし、対象が「アプローチ中の自分キャラ」であるため、自分のアプローチフェイズでの登場でないと発動できない。 2つ目の効果は自分キャラを活動状態に戻す事ができるため、妨害用キャラの確保を始め、さまざまな使い方ができる。 自分のアプローチフェイズ以外では強制的にこちらを選ぶことになる。 近衛 スバルがいなくても活動状態に戻す効果を持つキャラとして使えなくないが、なるべく近衛 スバルと併用したい。 カードイラストは描き下ろし。フレーバーは第2話「大好きになっちゃった!」での近次郎のセリフ。 関連項目 自由登場 選択効果 《まよチキ!》 《一緒に駆け落ちしよう》 《西住 みほ(021)》 収録 まよチキ! 01-007 パラレル 編集
https://w.atwiki.jp/sinsougou/pages/1065.html
はやて「さて最近のyagami復権運動を鑑みるに、これは早々にシンとくっ付けという天啓と解釈してええんやな」 なのは「ええわけないよ。現在進行形で頭冷やそうか。っていうかいっそ凍りつこうか」 フェイト「復権運動が実際起こってるかは置いといて、それはちょっと便乗出来ないな」 ヴァイス「おおッ、火花散らしてるね~」 エリオ「あ、ヴァイスさん」 ヴァイス「なんだよ、モンハンやるなら声かけろってエリオ」 エリオ「スイマセン」 ヴァイス「で、景品もとい、シンは何してるんだ?」 くい(エリオ、PSPから目を逸らさずに指差す) ヴィヴィオ「シンパパ~♪」 シン「お、ヴィヴィオどうした~」(駆け寄ってきたヴィヴィオを抱き上げるシン) ヴィヴィオ「んとね、えっとね、ハイ!!」 シン「携帯?」 ティアナ「今日は父の日でしょ?」 シン「もしかして……これヴィヴィオが買ったのか?」 ヴィヴィオ「うん!!」(頬を赤らめつつ頷く) スバル「三人で選んだんだよ?」 シン「赤色か」 ヴィヴィオ「シンパパのお目めの色~」 ティアナ「開いてみなさいよ」 シン「ん」 待ち受けにはシン、シンの膝の上に座るヴィヴィオ、右隣りのティアナ、左隣りのスバルの四人の写真 ヴィヴィオ「シンパパ、シンパパ、お揃いだよ」(ピンクの携帯を取り出しながら) スバル「皆で色違いのにしたんだよ♪」(青い携帯を出しつつ) ティアナ「ま、まぁ、私も一応合わせたわよ。きょ、協調性って大事でしょ?」(照れながらオレンジの携帯を取り出すティアナ) ヴィヴィオ「ティアナママとスバルママもお揃いお揃い♪」 ティアナ「ママって///////」 スバル「何だかくすぐったいね」 シン「ヴィヴィオ~~ありがとうな~~~チュッ」(ヴィヴィオの頬にキス) ヴィヴィオ「きゃう~~~~♪♪」 ティアナ・スバル(*1) ヴァイス「……和むな……」(狩りをしつつ) エリオ「和みますね」(同上) キャロ「微笑ましいですね。出し抜かれてる御三方は脇に置いておいて」(PSPをしつつ) ヴァイス「………キャロは狩りか?」 キャロ「いえ、『戦場の絆~オールガンダム勢ぞろい~』です」 ヴァイス「ジムスナイパーて渋いな………」 yagami「そろそろ決着付けなアカンな。今は亡き偉大なる虎、三沢の魂よ、私のエルボーに宿れ!!」 魔王「刈り取ってあげるの」(フリッカースタイル) 便乗「フェ・イ・ト!フェ・イ・ト!!」(∞の円を描きながら) ツンつん×デレでれ 14話へ進む 一覧へ
https://w.atwiki.jp/sinsougou/pages/800.html
イージー 朝倉 彼女を選択するといきなりシンとの同居から始まる。 好感度を上げる事は簡単だが、気をつけないと空気義姉妹にフラグを壊され、 彼女達にフラグが立つので注意が必要。 それ以外は危険らしい危険は無いので初心者向け。 ただし、あるフラグが立ってしまうとシンを殺そうとするBADルートに入ってしまう。 ウルトラハード 喜緑 はっきり言って激ムズ。 シンとの好感度はシナリオ内でしか手に入らないので、 如何に他のヒロインを潰し遇わせるかに神経を集中しなければならない。 スケジュールを上手く操り、ヒロイン達とシンをかち合わせる事でシン争奪戦をさせ、 好感度を上手く減らしていかないと途中で即BADエンド。 よって、好感度が上がりやすいスバルや朝倉とフェイトには要注意。 アルティメットハード ティニー 全キャラ中最も難しいキャラ。 喜緑と同じくシナリオ内でしか好感度が上がらないが、 喜緑と違って好感度減らしの手段が無い。 姉のデス子とティアナを上手く煽り操る事で彼女達に他の皆とシンを会わせない様にして、 好感度を上げさせない様にしないといけない。 だが、煽り方を間違えるとシンの好感度上げに行ってしまうので注意が必要。 一度でも他のキャラが自分の好感度よりも上になったら、 そのキャラの為に他のキャラを妨害するBADエンドになるので注意。 このシナリオをクリアすると他のキャラでプレイする時に自分以外のキャラを妨害してくれる様になる。 スィートイージー シア 簡単過ぎてスグにクリア出来るシナリオ。 他のキャラからは空気扱いな為に自滅しあってくれて、好感度アップが容易。 基本的に好感度上がりやすいので、簡単に好感度が上がる。 一応他の義姉妹には要注意だが、好感度が簡単に上がるので心配ない。 ノーマル ギンガ シアと違い中途半端な空気キャラなので相手に認識されてる。 なので、相手キャラ同士の自滅は期待出来ない。 このシナリオはスバルの好感度を上げさせない事が鍵。 基本、どんなに好感度を上げてもスグにスバルに追いつかれる。 彼女に勝つには彼女の周りを上手く利用する事。 スバルがフリーな時は大抵シンと一緒に居るので、必ず二人の邪魔をする事。 でないと気がついたらスバルエンドになっている。 以上に気をつければ、エンディングは簡単にみれる。 一度スバルとギンガをクリアすればナカジマ姉妹シナリオが出てくる。 本編 追加ディスク 隠しモード 続編 続編追加シナリオ 第三作 攻略チャート 一覧へ
https://w.atwiki.jp/trinanoss/pages/232.html
SERIES 9. Z will be back.① 落ち葉が、夜風に吹かれて乾いた音を立てながら路面をすべる。 谷を静かに吹き抜ける風が、木々をざわめかせ、町の騒音をおおいかくしている。 夜の峠。 群馬県、赤城山。 平日であり、雪がちらつき始めた季節、夜に騒ぐ走り屋たちは鳴りを潜めている。 そんな中、一台の車が、赤城道路を上っていた。 野太い、大気を殴りつけるような重低音。 スポーツカーに興味を持つ者なら、この音を聞けばいやおうもなく車種を思い浮かべるだろう。 4輪駆動独特の短く鋭いスキール音を鳴らし、その車はブラインドコーナーを立ち上がってくる。 スバル・インプレッサ。 夜の闇に溶け込む紫のボディカラーは、質量を持つ旋風のように、車体を路面に張り付かせるように安定した動きでコーナーを駆け抜けていく。 多くのFR車乗りが楽しむような、テールを大きく滑らせるドリフト走行とは一線を画す、無駄のないタイトな走り。 タイヤをスライドさせるのは少しでもはやくコーナー出口に向かうため、タイヤのグリップをフルに引き出すため。 けして駆動力を無駄に空回りさせてタイヤをすり減らすためではない。 風を切るように、走り抜けた後の草木が揺れる。 紫のインプレッサが頂上の折り返し地点となる観光案内所の駐車場に入ってくると、もう一台の車がすでに先に来て待っていた。同じインプレッサだが、ひとつ新しい型の、青色のボディの車両だ。 ドライバーの少女はフェンダーに腰掛けて待っていた。 「やっぱ来ると思ってたよ、ギン姉」 ショートヘアの少女が、紫のインプレッサのドライバーに呼びかける。 紫のインプレッサは、青のインプレッサの斜め向かいに停め、ターボタイマーをセットしてエンジンを切った。 「久しぶりに一緒に走らない?もうさあ、このインプ買ってから誰もつるんでくれなくて。 あんまり速すぎてついてこれないのかなあ?」 ケラケラと笑う少女に、ギン姉と呼ばれた女は苦笑する。 少女の呼びかけからすると、彼女の姉だろうか。 二人はおそろいのドライビンググローブをはめ、同じ車種を乗っている。 ギンガの車は、GDB型インプレッサの中期モデル。いわゆる涙目インプと呼ばれる車種だ。 インプレッサとしては全体で二代目にあたり、現行のインプレッサは三代目となる。 ギンガの妹は、彼女たちが乗る車のメーカーと同じ名前の、スバルという少女だ。 スバルが乗るのは、同じGDB型インプレッサだが後期モデル。つり目インプだ。 SUBARUは伝統的に、モデルチェンジのサイクルは長いが、同じモデルであっても間断なくマイナーアップを繰り返して性能の向上と完成度の熟成をはかっており、スポーツカー愛好者からの評価は高い。 また、WRCをはじめとしたラリーなどのレース活動にも積極的に参加し、モータースポーツに力を入れている。 なにより、自動車メーカーとしてのSUBARUは彼女たちの地元、群馬県に主要な工場を構え、群馬県民にとっては地元を代表する大企業なのだ。 思い入れはある。 「スバル、あなたも走り回るのはいいけどちゃんと考えて走ってる?言ったわよね、お姉ちゃんの真似をしたくなるのもわかるけどやるならきちんと、って」 「大丈夫だよ!わたしとこのインプはもう敵なしだって!」 ギンガにとっては、スバルはまだまだわんぱくな子供だ。 東京などの都会ならともかく、田舎では日常の移動手段として車が半ば必須なので、ほとんどの者は高校在学中、18歳の誕生日を迎えると同時に普通免許をとり、車を買う。 スバルが免許を取って走り出してから、彼女には類まれなドライビングセンスがあるということは、姉であるギンガがいちばんよくわかっていた。 だが、公道はあくまでも一般車が生活のために走る場所であり、レースのための場所ではない。 公道での走りには、言葉にはあらわしきれない暗黙のルールがある。 そうでなければ、命がいくらあっても足りない。 ギンガは、姉としてせめて、この公道の掟だけを、スバルに教えたいと願っていた。 スバルが先行し、ギンガが後追いで、2台のインプレッサは赤城下りを走り出した。 細かい違いはあるが、2リッターターボの水平対向4気筒エンジンを縦置きしたFRベースの4WDというパッケージングは共通である。 縦置きならではの重量バランスのよさを生かし、インプレッサは身軽で安定性の高い走りを見せる。 赤城道路は、そのコース全長のほとんどが中速コーナーが左右に連続するレイアウトであり、長い直線もほとんどない。 もちろんFR車でドリフト走行を楽しむのにも適しているが、インプレッサのようなトルクフルな4WDマシンにとっても戦闘力を発揮するにはうってつけのステージである。 軽快な運動性と、路面をしっかりつかむトラクションを併せ持つインプレッサは、このような峠のワインディングでは圧倒的な速さを発揮できる。 「おっ……っとと、いきなりここでくるのギン姉」 S字コーナーで早くもギンガはカウンターアタックをかける。 右コーナーへアウトから進入し、イン側についているスバルとアウト側のガードレールとの間にノーズをねじ込んでくる。 だが、ここで抜くつもりではないことを、スバルは車体の動きから読み取っていた。 切り返しの左で、ギンガのインプレッサはすっとノーズを下げる。 さらにテールをなめるようにポジションを変え、ヘッドライトの光を当ててプレッシャーをかける。 「(スバル、あなたはまだ経験が足りない──)」 「つうっ、この曲がれ……!」 フロントタイヤが鈍いスキール音を上げ、ラインがふくらむ。 アクセルとブレーキを小刻みに踏みかえ、スバルはグリップを取り戻そうとする。ノーズがイン側に向き切ったら、プッシュアンダーを出さないように慎重にアクセルを踏み込んでいく。 「(ほらもうそこから踏めないでしょ、じっと息を止めてグリップが回復するのを待つしかない──)」 ゆるやかに下りながらの右コーナーで、スバルがアンダーを出したのを見逃さず、ギンガはイン側へ切り込む。 このコーナーは視界が開けていて、対向車が来ていないことをコーナーに入る前から確認できる。 対向車線を使ってオーバーテイクが可能な区間だ。 コーナー前半で旋回を終え、ギンガのインプレッサはイン側をまっすぐカットしてスバルの前に出た。 スバルはこれに対してラインを変えることができず、アウト側から動けない。 「あーっ、やられたー!」 「(車はセッティングだけじゃ曲がらない、ましてや腕だけでもね……スバル、あなたはまだまだ覚えていかなきゃならないことがたくさんある──」 前に出たギンガは、さらにペースを上げて駆け下っていく。 抜かれたショックから立ち直り切らないスバルを、いっきに引き離しにかかる。 「(ただやみくもに飛ばすだけじゃあ公道は走れない──それは誰に教わるでもない、自分の身に染みて覚えなきゃいけないことなのよ──)」 最後のヘアピンに向かうストレートにスバルが入った時、ゆるやかに左へそれるカーブのブラインドから、対向してくるヘッドライトが見えた。 ヘアピンに入る手前ですれ違う。スバルは車を左車線へ、イン側の護岸につける。 「えっ、うそっ!?もう折り返してきたの!?」 ギンガのインプレッサが、まったくぶれることのないラインですれ違っていく。 オーバーテイクしたコーナーから折り返し地点まで、いったいどれくらいのペースで走っていったのだろうか。 タイムアタックをすれば、いったい何秒の差が出るのだろうか。 このヘアピンから折り返し地点まで、10秒あるかどうか。そこからターンしてさらにあのストレートまで走ってくるには、それこそいったい何秒のリードを広げなければならないだろうか。 スバルはペースを落とし、ふもとへ向けてインプレッサを走らせていった。 ギンガが再び頂上へ着いた頃、ドアのホルダーにかけておいた携帯電話が鳴った。 駐車場に車を止めてから電話に出る。 『あれ、スバル来てないの?走りに出たから一緒だと思ってたんだけど』 「さっきまで一緒だったんだけっどね、もう降りてったんじゃないかしら。そっちはチンクと一緒?」 『うんまあ、じゃゲンヤさんには伝えとくよ、ごめんね運転中だった?』 「大丈夫よ。それじゃ、後でねセイン」 電話を切り、ギンガは赤城山の黒い影を見上げながら、自分たち姉妹と、父ゲンヤのことを思い浮かべる。 父は地元ではそれなりの名士であり、また地元企業SUBARUとも仕事の付き合いがあり、その点は自分たちが走りをするにあたっては好都合なことではあった。 しかし、父は、娘たちがこのような危険な遊びをすることを、少なくとも安心してはいられないだろう。 スバルはいずれ、実家を出て上京するつもりでいる。高校の進路相談でもそのように言ったと聞いていた。 気の早いことで、首都高へも何度か下見に行ってきているらしい。 自分は、どうだろうか。このまま地元で、父の仕事を継いで、一家を受け継いで暮らしていくのだろうか。 地元であるここ赤城山では、“赤城最速のナカジマ姉妹”などと通り名がついたりはしているが、自分とて、いつまでも峠で遊んでなどいられないだろう。いつかは引退しなければならない。 スバルはまだ、この世界に入ってきたばかりで、何もかもが新鮮な輝きに満ちて見えるだろう。 その輝きが絶望の闇に落ちないうちに、生きていく力を、この世界で生きていく力を身につけてほしい。 「こんばんわー」 「おっスバルー、こっちこっちー」 スバルはいつも行きつけのファミレスに入り、呼びかけてきた少女と同じテーブルについた。 呼びかけてきた少女は髪を赤く染め、いかにも跳ねっかえりといった元気さを見せている。 「ずいぶん早かったじゃん、一往復くらい?あたしたちまだ一皿しかあけてないよ」 「いやー、ギン姉と一緒に走ろうと思ってたんだけど、これがアッサリちぎられちゃってね」 「えースバル、あのインプでも勝てないの?」 「もうホント、ギン姉はバケモンだよ。基本的に足ちょっと固めただけでエンジンもボディもノーマルなのに、赤城でいちばん速いんだもんね。ランエボもGT-Rもセブンもギン姉にはかなわないんだから」 「すっげーなあ、さすが赤城の青い流星(シューティングスター)っていわれるだけはある」 「ノーヴェ、そのあだ名はなんか恥ずかしいな」 スバルは照れ笑いを見せた。スバルは小さいころからずっとギンガを慕い、仲のいい姉妹だった。 スバルにとっては、姉ギンガはなにもかもが優れた、人間の見本のような人物に見えていた。 「アイナさーん、パスタ大盛りお願いしまーす!──ところでさノーヴェ、あんた自分の車のサイズ知ってる?」 「ほえ?」 「たて(全高)・よこ(全幅)・ながさ(全長)、トレッドにホイールベース。前にギン姉に言われたのよ、必ずこの数値を頭に入れて走らせろってね。 峠ってのはただでさえ狭い道だから、センチメートル単位で車体を制御できなきゃならないって、そのためには自分の車の大きさを、車体感覚だけじゃなく正確な数値で覚えろって」 スバルはポケットからメモ用紙を取り出して見せた。 そこにはインプレッサの車体数値がギンガの字で書かれている。 「実際に数値にしてみるとわかるんだけど、インプってのは基本的に小さい車なのよ。 3ナンバーになったのは太いタイヤを履くためにフェンダーを広げたからで、ホイールベースや全長はふつーの5ナンバー乗用車よりむしろ短いくらいなのよ」 「へえー……ってことはあれ、あたしのS15より?あれって14からサイズダウンしたはずなんだよね」 「小さいね。特に全長はS15のほうがほんの少し長いよ。確かに意識して走ってるとわかる、車の動きがつかみやすいって。 でもそれでも、あの赤城コースでもてあましちゃう。ギン姉と同じラインを後ろからついていこうとしても、わたしはまだこのインプの大きさを手の内につかみ切れていないってわかるんだ──」 同じころ、スバルたちの父、ゲンヤが経営する工場に、一台のレッカー車が乗りつけていた。 すでに夜は更け、普通ならば陸送の業者も来ない時間帯だ。 ゲンヤはレッカーに積まれたその車のシルエットに、引きつり笑いが浮かぶのを感じていた。 中が見えないようにブルーシートを被せられ、固定のためにロープが巻かれているが、“それ”は今にもその拘束を振りほどこうとしているように見える。 「やあ、ひさしぶりですねスカリエッティさん。突然仕事を頼みたいなんていうから何事かと思えば」 「ああ──どうしてもあんたでなきゃダメなんでね。コイツをもう一度頼むヨ」 スカリエッティはそう言い、レッカーの荷台にかぶせていたシートをどけた。 姿を現したその車、S30フェアレディZの純白のボディが、闇夜に不気味な光を放つ。 神奈川県、川崎市。そのチューニングショップは、今もっとも勢いのあるショップとして知られていた。 あまり派手な宣伝は打たないが、社長をも務める若いメカニックの腕は確かだと、その筋の人間たちには有名であった。 現在、首都高エリアに出撃するスカイラインGT-Rはその多くが、このショップによるチューンを受けていた。 工場には今日も、何台ものGT-Rが入庫し、従業員たちが作業を行っている。 その様子を事務所兼倉庫の2階の窓から見下ろしながら、その女は丸眼鏡をきらめかせた。 「相変わらずにぎやかねえ、儲かって仕方ないでしょ」 その口調は意地の悪さが含まれながらも、どこか憎めない陽気さを持っている。 「いやもう、毎日毎日馬車馬状態だぜ。それか車輪まわすハムスターとかか」 「ふふっ、まあがんばりなさいな若社長クン。ところでコレかしら、前に言ってた“R殺し”って──」 そう言って女は、コートの内ポケットから一枚の写真を取り出した。 写っている車は、ダークレッドのDC2型インテグラ。その中でも特に、スパルタンなセッティングを施された特別モデルであることをあらわす“TYPE-R”のエンブレムが、夜の首都高の照明を浴びてぎらついている。 デジタルカメラのセンサーに、強い残像を残すように“R”の赤い文字がきらめく。 「シルバーカーテンでひたすら処理して、やっとここまで鮮明にしたのよ。これで間違いないわよね、こいつが今環状で噂になってる、“R殺しのインテR”──って」 写真を受け取った男は、名をヴァイス・グランセニックという。 このチューニングショップ『ACE』の代表を務める若きチューナーだ。 「たぶんな。ウチのお客もずいぶんカモられたって言ってる──」 首都高環状線は、一般的な高速道路の印象からすれば明らかに狭すぎる道である。 車線こそ幅はあるが、とにかくカーブが多く、また曲率もきつい。 ビルの谷間をすり抜けるため、地方の山の中を走る幹線道路のように、ゆるやかに曲げるわけにはいかないのだ。 また設計も古く、路面も傷んでいるため、大パワーの車はその速さを持て余し気味になる。 そのような、どちらかといえば有利なコースであるという条件があるとはいえ、そのインテRは、格上であるGT-Rを手玉に取るような、尋常でない速さで環状を走り抜けるといわれていた。 「で、やっぱり行くの?このオレみずからオトシマエをつけてやる、って?いいトシなんだからそろそろ落ち着いたら?」 茶化すように言う女に対し、ヴァイスは苦笑しつつ、目元を鋭くする。 「いやあ、いいトシだからこそだぜ?この商売はナメられたらやってけないからな。オレのつくる車に挑戦するってことは、オレ自身に挑戦することと同じさ。 オレだってものづくり人のはしくれだからな、つくるものの出来で勝負するんだよ」 「まあせいぜい。あ、それともうひとつ、例のS30Zだけどさ──ちょっと知り合い筋で小耳にはさんでね。知りたい?」 「なんだよ?」 「どうも、こないだの湾岸線の事故はあのZが絡んでいたらしいの。空港が一時閉鎖されかけたほどの大事故で、トラックがふっとばされて── ──でそのZだけど、なんと廃車されずに修復されてるっていうのよ」 「ほう……それはオーナーの意志なのかな」 「そこまでは。でも、いずれ復活してくることは間違いないわ。これまでも、そうだったしね──」 「──相変わらず、意地が悪いなクアットロは──」 言いながら、ヴァイスはゆっくりと視線を作業場の方へ移した。 ヴァイスは、GT-Rこそが最強のチューンドだと思っている。GT-Rにほれ込んだ男だ。 悪魔のZ、うわさは聞いたことがある。そして今、R殺しも現れた。 上等だ、両方まとめて受けて立とう──そう、ヴァイスは決意していた。 東京都内、銀座の歓楽街に、その車は停まっていた。 エンジンは切られているが、人を待っているのだろうか、ハザードランプが点滅している。 道を歩く人々は、それぞれの店へ飲みに行くグループ、宴が終わって帰る途中のグループ、それぞれで、道路を走る車や停まっている車に気を留めたりはしない。 路駐をしていたインテRのドライバーは、助手席の座面に放り出していた携帯電話が鳴ったのを聞いて、読んでいた雑誌を閉じ、電話をとった。 室内灯がつけられた車内に、短めのツインテールヘアのシルエットが揺れる。 「もしもし?飲み会終わったの?」 『ああ、あと艦長たちはもう一軒回るって言ってる。僕はとりあえず抜けてきたよ』 「付き合わなくていいの?コネも大事でしょ」 『今日は提督もいっしょだったんだよ。あの人が来るとみんなつられちまうからな』 「自分の母親じゃないの。わかった、それじゃあ新橋駅の北口のあたりで待ってるから」 ツインテールの少女は通話を終え、携帯電話をしまうと、室内灯を消して車のエンジンをかけた。 点灯するヘッドライトに、ダークレッドのボディが浮かび上がる。 サイドスカートには、“TYPE-R”の赤いエンブレム。 リヤエンドに輝く大径マフラーは排気によって小刻みに揺れている。 鋭く発進していく車体の敏捷な動きは、この車がハイレベルなチューニングカーであることを主張していた。 少女の名はティアナ・ランスター。彼女は日本の大学へ通いながら、電子機器の専門技術を学んで幹部候補として軍人になる道を志していた。 先ほど電話をしていた男の名はグリフィス・ロウラン、ティアナに日本留学を勧めたいわば先輩士官で、在日米軍横須賀基地を取り仕切るレティ・ロウラン提督の長男である。 縁故などを頼るつもりはもとよりなかったが、それでも交際を持っていたほうが後々有利だろうという判断で、ティアナとグリフィスは奇妙な付き合いをしていた。 都会の雑踏を、インテRは流れるように走り抜けていく。